
園長からのメッセージ
いのちと、夢中と、この星で過ごす時間
星のこども園という名前は、星の王子さまの言葉から生まれました。
「大切なものは、目に見えない。」
この言葉は、私の心の中にずっとありました。
子どもの成長の中で本当に大切なものは、数字でも結果でもありません。
挑戦する気持ち。
夢中になる時間。
友達との関係。
自分を信じる感覚。
それらはすぐには見えません。
でも、人生を支えるのは、きっとそういう力だと思っています。
私はもともと消防士でした。
火災、救助、救急、そして通信指令。
何万回という命の現場に立ってきました。
そこでは、日常では想像できない光景に出会います。
命が助かる瞬間。
助からない瞬間。
人の人生が大きく変わる瞬間。
その現場に立つたびに思いました。
命とは何だろう。
東日本大震災のときも、私はその現場にいました。
大きな出来事の中で、人の命の重さと、人の強さを目の当たりにしました。
恐怖の中で誰かを助けようとする人。
自分のことより家族を思う人。
極限の状況の中で、人は本来の姿を見せます。
その姿は、とても強く、とても美しいものでした。
そして、私は思うようになりました。
人は本来、とても強い。
そして、その力は、
大人になってから生まれるものではなく、
きっと子どもの頃からすでにあるものなのだと。
私は子どもたちを見ていて、それを確信しました。
子どもは夢中になります。
何度も挑戦します。
転んでも、また立ち上がります。
そして、できた瞬間、こう言います。
「見て!」
その瞬間の子どもの目は、本当に輝いています。
私は思います。
人は夢中になっているとき、一番輝いている。
それは、子どもも大人も同じです。
夢中になって何かに取り組んでいるとき、人は自分の力を全部使っています。
心理学ではそれをFlow (psychology)と呼ぶそうです。
でも、子どもたちはそんな言葉を知らなくても、その状態を自然に知っています。
子どもが何かのコツを掴む瞬間があります。
跳び箱が跳べた瞬間。
平均台を渡れた瞬間。
走る感覚が変わった瞬間。
そのとき子どもは、自分の身体の中で何かを見つけています。
私はその瞬間を見るのが好きです。
そしてもう一つ、とても好きな瞬間があります。
それは、その瞬間を見ている大人の表情です。
保育者(保育・給食など園に関わる全ての大人たち)が子どもの成長を見て、本気で喜んでいる姿。
その光景は、とっても美しいものです。
子どもの夢中。
保育士の夢中。
その両方がある場所は、きっと特別な場所です。
私は、そんな場所を作りたいと思いました。
それが、星のこども園を作った理由です。
私は消防士を辞めたから、この園を作ったわけではありません。
もし消防士でなかったとしても、きっと私はこの園を作っていたと思います。
なぜなら私は、命というものを感じ続けてきたからです。
命とは、単なる生命ではないと思います。
生き方。
経験。
出会い。
関わり。
そのすべてが「いのち」なのだと思います。
そして、そのいのちは一人一人別々でありながら、
どこかでつながっている一つの存在なのかもしれません。
人は生まれた瞬間、無条件に愛されています。
そこから少しずつ、社会の中で様々な条件が加わっていきます。
でも、その根底にあるのは、
やはり愛なのだと思います。
私たちの人生には、限りがあります。
生きるということは、死へ向かっているということでもあります。
だからこそ、今この瞬間はとても尊い。
子どもたちの幼少期は、その中でも特別な時間です。
無邪気に夢中になれる時間。
その時間は、永遠ではありません。
だからこそ、とてもかけがえのないものです。
この地球という星に生まれ、
この時代に生き、
この場所で出会う。
そのすべてが奇跡のような出来事です。
星のこども園は、そんな時間を大切にする場所でありたいと思っています。
子どもたちが夢中になり、
保育者が夢中になり、
保護者や地域の人たちが見守る。
その中で、子どもという星が輝く。
星のこども園のロゴは、三つのかけらでできています。
地域
保護者
こども園
三つが重なることで、中心に「子ども」という星が生まれます。
子どもは、未来そのものです。
しかし同時に、今この瞬間を生きている存在でもあります。
だからこそ私たちは、子どもたちの「見て!」という声を大切にしたいと思っています。
夢中になり、
挑戦し、
失敗し、
また挑戦する。
その中で、子どもは自分の人生を歩き始めます。
人は本来、自ら育つ力を持っています。
子どもも。
大人も。
星のこども園は、その力を信じる場所です。
星のこども園
園長

